第100回全国高校ラグビー大会(いわゆる花園大会)の宮城予選が明日(10月25日)決勝を迎えます。この試合について、ちょっと書かせてください。6年前にお会いした小学生の少年が、18年ぶりに決勝に進むことになった佐沼高校のキャプテンになっていたのです。
下の動画は、10月22日、準決勝の終了後。14-14で石巻工と引き分けた佐沼高校ラグビー部。抽選を終えて出てきたキャプテンが、「次、あります!」と決勝進出を告げた場面です(背番号8)。花園には数回出場している佐沼高校ですが、県決勝進出は18年ぶりだそうです。
6年前の12月、(財)日本ラグビーフットボール協会機関誌『RUGBY FOOTBALL』の取材(連載、ラグビースクールへ行こう!)で、宮城県登米市の佐沼プラタナスJr. R.F.Cを取材しました。そのときにお話をうかがったひとりがコーチの星大介さんで、チームのキャプテンだったのが当時小学6年の星凌太くんでした。コーチの星さんの長男です。
こちらの写真が6年前の星凌太くん。当時もしっかりした少年でしたが、それがいまや佐沼高校のキャプテンとは。6年前には「佐沼高校に進んで花園に行きたい」とぼくに話してくれたのです。
星さん(お父さんのほう)と電話で少し話したのですが、今回の花園は100回記念ということで、東北ブロックでもうひと枠が用意されているため、「次、あります!」にはその喜びも含まれていると。つまり仮に県予選の決勝に敗れても、東北で2位同士の大会(11月)に出場できることは決まっているわけで、そこで勝てば花園に行けることになります。
また星家にとっては、今回のことは特別な意味をもちます。星大介さんは佐沼高校ラグビー部OBで花園経験者。星さんのお父様もやはり佐沼高校ラグビー部OBで花園経験者。そして星さんのお子さんも佐沼高校ラグビー部でキャプテンに。今回、佐沼高校が花園出場を勝ち取ると、三代続けて同じ高校から花園という快挙になります。
決勝の相手は仙台育英。手強いです。けれども「負けても次がある」という姿勢ではなく、そうした状況をうまく利して、メンタル面でいわば力の抜けた戦い方をして、まずは県の決勝で優勝・花園出場を狙ってしまう、そんなゲームを期待したいと思います。