本のタイトルを考える力(ちから)

ラグビー関連本のタイトルは”力持ち”が多い──という話です。

「T-2 RUGBEAT」代表として、ラグビーアカデミー・チーム指導・コーチング動画配信サービスなどを展開している大中哲宏さん。その著書をwith Rugbyから発行予定であることはご案内のとおりです。

タイトルは『個人技がどんどん身につくラグビー[宅トレ]ドリル』と決めていますが、タイトルを考え始めた当初は「ラグビー個人技の力」というフレーズが頭に浮かんでいました。

『個人技がどんどん身につくラグビー[宅トレ]ドリル』表紙イメージ(表紙デザインのひとつの案です)
『個人技がどんどん身につくラグビー[宅トレ]ドリル』表紙イメージ(表紙デザインのひとつの案です)

この本の企画では「個人技」がひとつのキーワードになっているので、この言葉はぜひタイトルにも入れたかったのですが、なぜ「力」という言葉がそこに付いてきたのか──その理由については、ラグビー関連の本で似たものがあるといけないのでリサーチした結果、明らかになりました。

近年、最後に「力」と付けているタイトルが多く出ていたのです。自分の頭の片隅にも「力」が印象に残っていて、大中さんの本のタイトルを考えるときにそれが無意識に取り出されたのでしょう。

「力」で終わるタイトルのラグビー本、改めて調べてみると、けっこうありました。こんな感じです。

『逆境を楽しむ力』岩出 雅之 著(2022年5月)
『相談される力』廣瀬 俊朗 著(2022年4月)
『自分を信じる力』福岡 堅樹 著(2022年1月)
『プレッシャーの力』エディー・ジョーンズ 著(2020年12月)
『つなげる力』ラファエレ ティモシー 著(2020年5月)
『準備する力』岩渕 健輔 著(2016年11月)

ついでに、ラグビー以外の本についても、ざっとですが最近のものを拾い上げてみました。

『やりきる力』堀江 貴文 著(2021年5月)
『生き抜く力』山田 邦子 著(2021年3月)
『生き抜く力』曽野 綾子 著(2021年2月)
『片づけの力』Fujinao 著(2021年1月)
『スタンフォード式生き抜く力』星 友啓 著(2020年9月)
『挑む力』桑田 真澄 著(2016年4月)
『捨てる力』羽生 善治 著(2013年2月)

ここまで”力持ち”の本が多いと、自分としては、「ラグビー個人技の力」というフレーズを入れてこれらの流れに乗っかっていこうという気持ちにはなりませんでした。もう飽和状態だろう、自分にはそう見えたからです。

タイトルが「力(ちから)」で終わる本の源流

そういえば、「〜の力」という本は、けっこう前からあったなということで、調べてみました。産経新聞社のウェブサイトにある「息苦しい時代を反映? 本のタイトルに続々 『力』頼みの出版界」という記事(https://www.sankei.com/article/20130403-FTUSDKPOCRKHTEP2HGSNSL5HKI/)には、『老人力』(平成10年、赤瀬川原平著)がその始まりではないかという記述がありました。そしてその後、次のような流れがあったと。

「渡辺淳一さん(79)のエッセー『鈍感力』(平成19年)、政治学者の姜尚中(カン・サンジュン)さん(62)の『悩む力』(20年)、経済評論家の勝間和代さん(44)の『断る力』(21年)といった後続のベストセラーも、負の要素をプラスに変える新鮮な題名が目を引いた」

さらに2012年に『聞く力』が出て、大ヒット。
「ベストセラーの不在が騒がれた昨年、唯一のミリオンセラーとなったのが阿川佐和子さん(59)の『聞く力 心をひらく35のヒント』(文春新書)だった」
(この記事は2013年に書かれている)

最後に、ほんとについでですが、「しょーしゅーりきー♪」のテレビコマーシャルでお馴染の「消臭力」(エステー株式会社)も、読みはちがいますが、「力」で終わってます。このネーミングは、プロレスラーの長州力さんから発想されたそうです。

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