個人技を伸ばしてうまくなろう!『個人技がどんどん身につくラグビー[宅トレ]ドリル』はこんな本です

中学生の女子ラグビー選手ふたりに、著者の大中さんがインタビューしているページがあります。彼女らは大中さんの元教え子です。

「アカデミーでやってきた練習で、一番役立っていると思う練習は?」との問いにふたりは「トップスピードキャッチ」をまず挙げました。これで成長できたと。

「トップスピードキャッチ」とは、ラグビーのゲームのさまざまな状況に応じて、トップスピードでボールをキャッチできるようにするための練習メニューのことです。

「トップスピードキャッチ」を全力で行う、リコーブラックラムズ東京の堀米航平選手
「トップスピードキャッチ」を全力で行う、リコーブラックラムズ東京の堀米航平選手

「トップスピードキャッチの練習で、2人が一番変化したところはスピード。腕の振りやボールのもらい方がよくなったことで、トップスピードでボールをもらい走れる回数が増えたことでスピードがついてきたよね」(大中さん)

スピードがついてきたというのは、たとえば50m走のタイムが速くなった、ということを意味しているのではありません。当然、中学生の成長期にあって、そうした絶対的なスピードは向上していると思われますが、ここでいうスピードとは、ボールをもらうまでのスピード、キャッチの局面のスピード、キャッチ後のランのスピード等、一連の動きの速さを指しています。ラグビーのアタックでは、前進したり後退したりを繰り返すなかで、ボールを保持する局面でいかにスピードを上げられるかは大切なポイントです。

このような局面のスピードはまさに個人技で、こうしたスキルを伸ばしていこうというのがこの本の趣旨です。そして「トップスピードキャッチ」の練習は、友だちや保護者などパートナーがいれば、公園などでもできるのです。

チームの練習では、どうしてもチーム練習が優先されることが多い

サッカーやアメリカンフットボールは、11人 vs 11人でゲームをします。ラグビーは15人 vs 15人。人数が多いので、スペースが少ない。しかもルール上、前方へのパスができないので、あの手この手で前進をはかります。必然的に連係プレーの練習が多くなります。さらにスクラムやラインアウトなど、プレー再開の形も多様です。ラグビーの練習は、どうしてもチームとしての練習、連係プレーなどに時間を割くことになります。相対的に個人技を伸ばすような練習は個人に任せられることに。

学校のラグビー部であれば、毎日のように練習するので、個人技についても一定程度カバーできるでしょう。しかし、基本的に週末のみの活動となる、いわゆるラグビースクールとか、クラブチームでプレーする場合、どうしても個人技は後回しになります。

著者の大中さんは、自身が主催する「T-2 RUGBEAT」アカデミーでのコーチングを通して、個人技を伸ばす自主練は、チームでの練習を補完する役割にとどまらない。むしろ自主練でも伸ばすことができる個人技は少なくないし、個人技を伸ばすことがラグビー上達のひとつの早道ではないか、と考えるようになったのです。

豊富な写真・動画ヘのリンクで『宅トレ ドリル』!

『宅トレ ドリル』の本は、前述のような観点で選りすぐられた練習メニューが豊富な連続写真とともに掲載されており、そしてこれは電子書籍ならではのメリットですが、各メニューには動画へのリンクボタンが掲載されていますので、即座に動画でチェックをしていただくことができます。

もちろん全ページカラーで制作されています。スマホでも読んでいただけるように、ゆったりしたレイアウトで、文字も比較的大きめの設定になっています。

ご自宅ではパソコン等で大きな画面で見ていただき、公園等の練習の場ではスマホで補完的にチェックする、そんなふうに活用していただければと思います。

堀米航平選手のトレーニング動画もあり!

また動画は、大中さんのデモンストレーションを主体に、小学生・中学生の子供たちも出演。いい見本だけでなく悪い見本もあり、実践的な内容になっています。

そして大中さんのコーチングを高校時代に受けていた、リコーブラックラムズ東京(ジャパンラグビー リーグワン・ディビジョン1)の堀米航平選手が全面協力! インタビューで登場しているほか、本で紹介している練習メニューを自らデモンストレーション。リーグワンプレーヤーの、速くて力強い動作を動画で確認することができます。

ラグビーワールドカップ2023をみて、うずうずしてきた若きラグビー選手の皆さん、この本でより「うまい」ラグビー選手になって、楽しいラグビーライフを過ごしていただければと思います! お勧めです!

(with Rugby・藤本幸俊)

『宅トレ ドリル』目次1
『宅トレ ドリル』目次1
『宅トレ ドリル』目次2
『宅トレ ドリル』目次2
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